城北法律事務所 ニュース No.62(2010.8.1)

4年に一度?

弁護士 平松真二郎
2006年弁護士登録
得意分野:刑事事件、消費者被害
主な事件:遺棄化学兵器被害敦化事件、東京「君が代」裁判、板橋高校威力業務妨害事件

2006年10月に弁護士登録をして以来、あっという間に4年が経とうとしています。

2006年6月、まだ司法修習生だったときにドイツでワールドカップが行われていました。修習生の身分では国外へ行くことはままならず、2010年は南アフリカへ行くぞ!、現地で観戦するぞ!と意気込んでのテレビ観戦でした。

4年間を振り返ってみると「ひとつの事件が、当事者にとっては一生を左右しかねない大問題」であること、そして、「大事なのは一つ一つの事件を適切に解決すること」とあらためて感じています。具体的な事件をどのように解決していくのか、そしてその一つ一つの事件の適切な解決が、やがて人権課題の解決につながり、そして新しい憲法判例の誕生へとつながることを信じて、これからも微力であっても一つ一つの事件に力を尽くしていく所存です。

それにしても、弾丸ツアーが0泊4日とは南アフリカは遠い、遠すぎる。4年前のつぎこそ現地で!の思いは叶わず、今回も、2014年はブラジルへ行くぞ! と意気込みながらテレビ観戦に終わりました

4年後に同じことを書かないように精進したいと思っています。


これまでに印象に残っている事件など

弁護士 深山麻美子
1995年弁護士登録
主な事件:不動産、債務整理、相続、交通事故、離婚

弁護士になって実にさまざまな事件を担当させていただきましたが、事件の内容そのものよりも、事件解決の過程を通じて依頼者の方が見事に立ち直っていく姿が心に深く残っています。 

ある事故の被害者が、加害者の冷淡な対応や後遺症が原因でひどい鬱状態になってしまったことがありました。とても裁判には耐えられそうにありませんでしたが、依頼者の方は自分の裁判だからと必死に裁判に出続けました。すると不思議なことに次第にうつ状態が改善し、最後にはすっかりタフで陽気な方に変ってしまったのです。

他の事件でも大なり小なり同様なことがあり、その度に人間の再生力に驚かされます。

弁護士の仕事は、この再生力を信じ、トラブルの渦中にあって苦しんでいる依頼者に寄り添い、法的解決の先導役を務めながら、依頼者の方がトラブルを乗り越え、次のステップに進む過程を二人三脚で進むことにあり、またそこに弁護士冥利もあるのだな、と考えるこのごろです。


「しあわせでたのしい『あす』をむかえるために」

弁護士 松田耕平
2002年弁護士登録
取扱分野:民事・刑事全般、医療事件
主な弁護団事件:中国「残留孤児」訴訟、首都圏建設アスベスト訴訟

「こんなにも ふざけたきょうがある以上 どんなあすでもありうるだろう」。

私の好きな歌人、枡野浩一氏の短歌です。歌の解釈は人それぞれ違うと思いますが、私は、「今日という日が最高に楽しくとも、或いは最高に悲しくとも、今日で終わりじゃない、未知なる可能性を秘めた『あす』が必ず訪れる!」、そんな希望に満ちた短歌だと思っています。
弁護士に相談し、依頼される方は少なからずトラブルを抱え、不安や悲しみを抱えています。

弁護士になって8年が経とうとしていますが、そのような依頼者のみなさまの不安や悲しみを取り除き、今後迎える「あす」が、少しでも楽しく、そして幸せになるよう、これまで以上に精いっぱい、がんばりたいと思います。

その際の私の心構え、テーマとしている短歌をご紹介して終わります。

「幸せに ならなきゃだめだ誰一人 残すことなく省くことなく」

(歌人・加藤千恵)