ベルリンでは「団地」が世界遺産!
2008年7月に、ベルリンの「モダン・ジードルング(近代団地)」(これらはすべて1913年から1934年に建設された団地で日本と同じ鉄筋コンクリート造り)が世界遺産に登録。日本でも名前が知られている建築家で「色彩の魔術師」と呼ばれているブルーノ・タウトなどが関わった緑あふれる勤労者のための「社会住宅」は「クライン・ガルテン」(市民農園)とともに「集合住宅」のイメージをかえた。
団地を「長持ちさせ、快適に暮らす」は世界的な流れである地球環境、エコロジーとしても注目を集めている。
保育新システム
子どもを大切にし、安心して子育てできる社会を目指して
弁護士 大八木葉子
子どもを保育園に預けて働きたいけれど、保育園に入れない、仕事と生活の両立や待機児童の問題は深刻です。
現在政府が進めている「子ども・子育て新システム」では、幼稚園と保育所の子ども園(仮称)への一体化、仕事と生活の両立支援と子どものための多様なサービスの提供、待機児童の解消(多様な提供主体の参入など)を図るとしています。
しかし、この新システムには、次のような問題があると言われています。
まず、市町村に保育の実施義務がなくなってしまうことです(現在の児童福祉法では、市町村は保育に欠ける子どもに保育を提供しなければならない)。市町村は、保育の必要性の認定、保護者への補助金支給等の責務を負うにとどまり、保護者が事業者と直接契約を締結し、サービスと時間に応じた利用料を支払うことになります。現在の保育料は親の収入に応じて決まりますが、新システムでは収入と無関係に負担増加が予想されます。
また、新システムでは、一定の基準を満たした事業者(株式会社等を含む)を指定事業者として認定します。保育の産業化が進み、保育の質の低下などが懸念されます。
それでは、仕事との両立や待機児童問題は解決できないのでしょうか?
そもそも、わが国の子どもの予算は他の先進諸国に比較し少ないのです。保育所の職員配置基準や面積基準も先進諸国に比較して低いのです。
このような保育所について、その質を低下させる方向ではなく、市町村の保育実施責任を維持させ、より充実させる方向を目指すべきではないでしょうか。子どもが大切にされ、安心して子育てができる社会をめざし、仕事との両立や待機児童の問題を解決していくべきではないでしょうか。ぜひみな様も一緒に考えていきましょう。
検察・捜査
検事の証拠資料の改ざんに一言
弁護士 小薗江博之
押収したフロッピーディスクの最終更新日時を改ざんした大阪地検特捜部の事件は、まだ記憶に新しいところです。司法研修所の同期の検事が、最高検の調査チームの主任として、テレビに映っていたのにも驚きましたが。
ところで、証拠の改ざんで思い出すのは、江古田連続ひったくり事件です。犯人は、自転車を利用して、歩行している女性の後ろからバッグをひったくっていました。
被害者の一人の女性が覚えていた犯人像は、身長180センチ前後で、上が白の半袖、下が赤い短パンでしたが、練馬警察署で面通しして見た容疑者の青年は、身長は160センチに満たず、上は紺の長袖、下はジーンズでした。女性は、犯人とは印象が違うと言ったのですが、警察官から白紙に名前を書いて下さいと言われ、書き終わると、帰っていいですよ、と言われました。
後に裁判に提出された女性の供述調書には、今私が見ている青年は犯人にそっくりで、服装も同じ服装です、と書いてありました。白紙に書いた署名を利用して、警察官がうその供述調書を作ってしまったのです。
この女性は、最初証人として裁判に出ることを迷っていましたが、弁護団の説得に応えて、裁判で警察官のしたことを話してくれました。供述調書のねつ造とはいえ、それを暴くことは大変勇気が要ることだったのです。
私は直接の経験はありませんが、刑事事件に携わった弁護士から、検事が供述調書を改ざんしたという話は、残念なことに、ときどき聞いています。
検察も警察も大変な権限を持っています。権限を正しく使って犯人を処罰することが期待されているのに、権限を悪用して証拠を改ざんすることは断じて許されないことです。
司法修習生給費制
司法修習生給与支給の延長について
署名ありがとうございました!
弁護士 大川原 栄
昨年夏の事務所ニュースでの「司法修習生の給与支給継続」を求める署名のお願いに、2426筆もの署名をお寄せいただきました。
本当にありがとうございました。
みなさんの署名の後押しもあり、昨年の国会終盤の法改正で司法修習生に対する給与支給制を貸与制にするという目論見は取り敢えず1年間延期するとなりました。
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法曹(裁判官・検察官・弁護士)を目指す者は、司法試験合格後、司法研修所の研修を受け、研修所の終了試験に合格しなければなりません。従前はこの研修期間に公務員並みの給与が支給されておりましたが、将来裁判官や検察官という公務員にならない可能性のある弁護士志望者、はたまた経済的に裕福な者にまで何故に給与を支給しなければならないのか、といった声に押され支給を貸与にするという制度改革が行われようとしました。
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しかし、弁護士は、基本的人権の擁護と社会正義の実現をその使命としており(弁護士法第1条)、在野の立場から国を含む巨大勢力に遠慮無く発言する立場にあります。そのような立場を目指す司法修習生が、仮に貸与された給与の返還を念頭におきつつ修習をし、また、将来の進路を考えなければならないとなれば、「骨抜き」の法曹になってしまう可能性があるのです。
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弁護士は、「修習生時代に国民から給与を貰っていたのだ」という強い自覚の下、公益活動のみならずあらゆる事件に在野の立場から真剣に取り組み、国民から「給与支給が当然だ」と強く支持されるよう一層力を尽くさなければならないと考えております。