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城北法律事務所 ニュース No.65(2012.1.1) | 城北法律事務所

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城北法律事務所 ニュース No.65(2012.1.1)

城北法律事務所 ニュース No.65(2012.1.1)

2011年9月16日の事務所セミナーから
法律相談 ◆ 相続

弁護士 平松真二郎

Q 私たち夫婦には子どもがありません。夫が死亡した時の相続はどうなりますか。

A 亡くなった人(被相続人)に子どもがいない場合、配偶者と被相続人の直系尊属が相続人になります。すでに直系尊属(父母、祖父母、曾祖父母ら)が死亡している場合、被相続人の兄弟姉妹が相続人になります。

Q 夫の両親は既に死亡しています。夫は3人兄弟の真ん中で、兄は既に死亡しています。兄には子どもが二人います。

A 被相続人の兄弟が相続人になる場合、既に兄弟が死亡している場合、その子(被相続人からみて甥姪)が代襲して相続人になります。したがって、夫がなくなった場合、相続人は配偶者と弟さんと甥姪の4人ということになります。

Q 夫には不動産等4000万円ほどの財産があります。どう分けることになるでしょうか。

A 法律で定められた相続分について説明しますと、配偶者と兄弟姉妹が相続人になるときは、配偶者が4分の3、兄弟姉妹が4分の1を相続することが定められています。
 法律の定めに従って計算すると妻が3000万円分、弟さんが500万円分、甥姪がそれぞれ250万円分ずつ相続することになります。

Q 姪はともかく、甥はこれまで夫の兄を虐待し、それをたしなめる夫に暴力をふるう等してきましたが、それでも財産を分けなければいけないのでしょうか。

A 被相続人を虐待したり、重大な侮辱を加えたりした相続人について、あらかじめ相続人からはずすことになる推定相続人の廃除という制度があります。これは、生前に被相続人の意思に基づいて家庭裁判所の審判によって推定相続人から外す制度です。ただし、対象は遺留分のある相続人に限られますが、兄弟姉妹には遺留分がありませんので、甥ごさんは廃除の対象とはなりません。

Q やはり甥に財産を分けないですむ方法はないのでしょうか。

A 兄弟姉妹には遺留分がありませんので、遺留分減殺請求を受ける心配はありません。遺言で配偶者に財産の全部を相続させることを明示しておけば、甥ごさんに財産を分けなくてもすむようになります。


2011年7月12日の事務所セミナーから 法律相談 ◆ 債権回収

弁護士 嶋田彰浩

Q 約束した日を過ぎても相手が代金を支払ってくれません。代金を回収する手続きとしてどのようなものがありますか。また、どの手段を利用するのがよいのでしょうか。

A まずは、交渉(話し合い)がありますが、必要に応じて内容証明を送ったり、公正証書を作成したりすることもあります。次に、裁判所を利用する手続きとしては、通常訴訟の他にも、調停、支払督促、少額訴訟、仮差押などがあります。
 どの手段を利用すればよいかは契約内容や相手方の状況・態度などによって一概に言えませんし、費用の面も含めて弁護士に依頼した方がよい場合もあれば、自ら行った方がよい場合もあります。
 どの手段を利用するかを早期かつ適切に判断することがよりよい解決に繋がりますので、弁護士にできるだけ早く相談されるとよいでしょう。

Q 裁判ではどのようなものが証拠となるのでしょうか。また、どのような証拠を作ればよいのでしょうか。

A 民事裁判では、通常どんなものも証拠になりえます。また、証拠は、その信用性が高いほど裁判には有利ですので、まずは、相手に関わらせた書面を作成するようにしましょう。
 契約書がむずかしければメモ書きでも構いませんので、相手に契約内容等を書かせる努力をしましょう。それもむずかしければ自分でメモなどの書面を作成しておけば、ないよりはましです。
 一般に、後になって作成した書面よりも、契約してすぐに作成した書面の方が証拠としての信用性が高くなりますので、自分だけで書面を作成した場合はすぐに公証役場で確定日付を付してもらって、作成日を証明できるようにしておくとよいでしょう。
 また、契約内容などを記載したメールやFAXを相手に送ったりして証拠にすることは、日付を残すという観点からもお勧めです。

Q 相手がお金がないと言って代金を払ってくれません。何とか回収する手段はないのでしょうか。

A 実際に相手が無資力(財産がないこと)になってしまえば、たとえ勝訴判決などを取ったとしても宝の持ち腐れになってしまいます。それこそ相手が破産した場合には、まったく回収できないことがほとんどです。
 そうならないためにも、連帯保証人を付ける(ただし、保証契約は必ず書面による必要があります)など、担保を取っておけるとよいでしょう。もちろん、相手の財産状況などを慎重に判断したうえで、契約すべきなのは言うまでもありません。


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