池袋派遣村の活動報告
昨年も2回開催しました
弁護士 大山勇一
昨年11月15日に、豊島区内の団体・個人の方々の協力を得て、第18回目となる「池袋派遣村 なんでも相談会」を実施しました。労働相談のほかには、「お金が払えずに電気を止められてしまった」「難病をかかえており賃料の安い公営の住宅に引っ越したい」など緊急性の高い相談が多かったのが特徴的です。当事務所の弁護士(津田、舩尾、湯山)に加えて、労働組合のJMITUや移住労働者ユニオン、生活と健康を守る会の方々などが相談を担当しました。相談にあわせて古着の提供などを行っていますが、公園を通りかかった方からは、「ぜひ亡くなった兄弟の遺品を使ってください」とのありがたい申し出も受けました。
生活保護制度については、残念ながら必ずしも利用者の生活再建につながる運用になっているとは言えません。法事のためにどうしても急遽お金が必要になり知人からお金を借りたところ、これが収入認定されてしまい、その分の生活保護費が減額されたということがありました。もちろん、後日、借りたお金は返したのですが、保護費は減額されたままで、いくら交渉しても対応は変わりません。
また、子どもの大学進学受験費用や自分自身の葬式費用についてであっても、保護費を節約して貯めておいた際、その分をすべて使いきるまで保護費の支給が停止される場合があります。しかし、違法な目的でない限り貯金は認められるべきで、下級審判例の中には80万円、知事裁決の中には150万円の貯金を認めた例があります。
さらに、生活保護費のうち、家賃にあたる「住宅扶助」に関して、2015年から引き下げがなされています。東京の単身世帯で9000円近く下げられており、これにより引っ越しを余儀なくされる方が少なくありません。引っ越しをすることでかかりつけの病院への通院に支障が出る場合には住宅扶助を引き下げないという運用もなされています。
なお、今回の相談会の実施に際して、当初、「豊島区の貸し出し運用に照らして、次回から公園を貸さない」という回答がありました。最終的にはこの相談会の公共性の高さを理解してもらい、公園の使用が認められました。たまたまですが、相談会が実施された11月15日には、大阪の松原市が公園使用を不許可にしたことが違法であって損害賠償すべきとの判決が出されています(松原民商事件)。公園使用をめぐる不当な運用にも留意していく必要があります。
第一経理と城北法律事務所
第一経理と協力して催し物に取り組んでいます
弁護士 武田志穂
第一経理とは、当事務所と同じく豊島区に基盤を持つ、税理士や社会保険労務士などの多数の有資格者を擁する3法人から成る企業グループです。
第一経理の皆さまとは、日頃から懇意にさせていただいており、日常的に交流があります。弁護士サイドでは、不動産の事件や相続事件などで税金の問題が絡んでくることが少なくありませんが、その場合に第一経理の税理士の皆さまに相談させていただいております。また逆に、第一経理の方から「社長さんが資金繰りでうまく行かず困っているようだ」などとご相談いただくこともあります。
ここ数年第一経理の皆さまとは、年に2~3度ほど合同のセミナーや相談会を共同開催しています。直近で開催したのは、昨年9月の相続相談会です。相続問題は遺産の分け方や遺言の書き方など弁護士に相談したいというニーズと、相続税の申告や節税対策など税理士に相談したいというニーズ双方があることが多いです。相続相談会は一度に弁護士と税理士双方に相談できる相談会であり、お蔭様で大盛況で終わることができました。
今年は、2月に共同開催のセミナーを予定しています。今回のテーマは残業問題です。第一経理の社労士の先生に労働基準法の残業規制や就業規則についてお話しいただき、当事務所の弁護士が残業代請求等について話をさせていただく予定です。昨年は電通の社員の過労自殺が社会問題となりましたが、長時間労働問題を抱えている企業・労働者の方はとても多いと推察され、極めて重要な問題と考えています。
セミナーのチラシが同封されているかと思いますので、興味を持たれた方は、ぜひご参加いただければと思います。
【女性弁護士による、女性のための相談デー】
開設のお知らせ
夫婦、親子関係、暴力や仕事上のトラブル、相続、借金etc……。
相談したいけど男性弁護士へ相談するのはちょっと……とお困りの方向けに、経験豊富な女性弁護士が丁寧に対応させていただきます。
毎月第2火曜日午後1時~午後3時、 第4金曜日午後3時~午後5時
相談料30分5400円
※借金問題の相談は初回に限り相談料無料
その他の相談も、法テラス利用可能