自己破産するとどうなる?〜意外と少ない自己破産のデメリット〜 弁護士 久保木 太一
コロナ禍によって増えた事件の一つが自己破産案件であることは間違いありません。
今まで一度も借金をせずに生きてきた人が、突然仕事を失ったり、収入が大幅に減ったりすることにより、多重債務状態に陥るという事例もあります。
自己破産には、ネガティブなイメージがあると思います。借金を帳消しにするということはズルイことだと思う方は多いと思います。
しかし、自己破産は法律上認められた立派な制度であり、毎年数万人の人が利用しています。格差の拡大と社会保障の不十分さが指摘されているこの社会では、ちょっとした不運によって誰しもが多重債務を抱える可能性があります。コロナ禍でしたらなおさらです。
また、最後の命綱として自己破産制度があることにより、人々は安心してお金を借りたり、事業に挑戦したりできます。
自己破産は、社会を成立させるのに必要な制度なのです。
もっとも、自己破産をすることによって何か大きなデメリットがあるのではないか、と考え、弁護士に相談する勇気もなかなか出ないという方も少なくないと思います。
そこで、以下では、自己破産をすることによるデメリットを紹介します。
①官報に名前が載る
自己破産のデメリットとしてよく真っ先に挙げられるのがこれです。
しかし、それにかかわる仕事をされている方ならまだしも、一般の方が官報を読むことはほぼありません。官報に名前が載ったところで、身の回りの知人・友人に自己破産したことを知られる可能性はほぼないでしょう。デメリットとして捉える必要はないと思います。
②一定期間借金ができなくなる
自己破産をすると、5〜10年の間、信用機関や金融機関から借金ができなくなります。
クレジットカードは、一時的にお金を前借りする制度ですので、持てなくなります。
ただ、よく勘違いされる方がいるのですが、銀行の口座やカードを持つことはできます。できないのはお金を借りることだけです。
③手続の間就くことができない職業が存在する
破産手続中、弁護士や生命保険募集人など一定の業種に就くことが法律上制限されています。もっとも、制限されている業種に当たらない場合が多いですし、あくまで破産手続中の数カ月程度の話ですので、問題にならない場合が多いです。
④自動車や持ち家などの財産がある場合には処分をしなければいけない場合がある
自動車や持ち家など、売るとお金になるものを所有している場合、自己破産の際には処分しなければなりません。
もっとも、自動車に関しては、購入して相当期間が経過しているなど、価値がほとんどないものと判断されれば、手元に残せます。
また、持ち家がある場合には、自己破産ではなく、個人再生という手続を利用することで処分を免れることができます。
事案ごとに細かいデメリットはあるかもしれませんが、主なデメリットは上の4つだけです。多くの方にとって、自己破産をするメリットの方がデメリットを上回るかと思います。
城北法律事務所では、自己破産の案件を多く扱っており、経験豊かな弁護士と事務局が、お客様のご不安を取り除き、生活再建に向けたサポートをさせていただきます。
まずはお気軽にご相談ください(当ホームページの予約フォームはこちらから)。