城北法律事務所 ニュース No.53(2006.1.1)


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目次

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「さらば戦争!映画祭」に取り組んで
我々の世代らしいものを

弁護士 田場暁生

2005年11月、『さらば戦争!映画祭』という企画を行いました。本映画祭は、もともと中国「残留孤児」訴訟・原爆症認定訴訟・中国戦後補償訴訟の各弁護団や関係者が、戦後60周年を迎えるにあたり、お互いに戦争責任・戦後の責任及び戦争における加害・被害について学びあおうと、学習会や交流を重ねてきた中での一つの取り組みでした。私は、中国「残留孤児」訴訟弁護団員として、本映画祭の実行委員長を務めました。各訴訟に関連する映画の他、日韓関係を見つめる映画として、「あんにょん・サヨナラ」「パッチギ!」を選び、井筒監督はじめ5人のトークも企画しました。

本映画祭は、実行委員会のメンバーがほぼ20代から30代で占められました。ノウハウもなく、右往左往することばかりでしたが、映画祭当日に「さら戦新聞創刊号」をプログラム代わりに発行する、お揃いのTシャツを着るなど、若さ故のアイディアも豊富でした。本映画祭に一番参加してほしかったのは、これまで戦争・核・軍縮・平和といったテーマに関心があってもなかなか触れる機会がなかった、または、近寄りがたいと考えていた人たちでした。実際、この種の企画にしては若い参加者が多く、「日本が被害者のように感じていたのがとても恥ずかしい。自分は何にも知らないんだと実感した」、「今の若い世代の一人して自分も何かやってやろうという気持ちになりました」という感想が寄せられ、主催者としての思いは一定程度達成されたと考えています。また、井筒監督のトーク終了後、「監督の映画を見て、息子の引きこもりがなおりました」と言ってきた参加者がいて、監督が「100人の人に笑ってもらうより、何より嬉しい。映画ってすごいんやな。家から出ることもない1人の人間に力を与えるんだな。こんなん初めてだわ」などと喜んだというエピソードもありました。

常々思うことですが、1970年代以降に生まれた私のような世代は、団塊の世代や、1960年代~70年代に青春を過ごした井筒監督、そして韓国の民主化をリードしたいわゆる「386世代」に属する「あんにょん・サヨナラ」の金監督のように、同世代と共通の時代感覚というものを持ち合わせていない、といっていいと思います。共に歌える「思いがこもった」歌もありません。正直、この世代の先輩方には羨ましい思いもあります。しかし、「おっさん・おばちゃん連中」に負けるつもりはありません。我々の世代”らしい”ものをこれから創りあげていく、その決意は「さら戦新聞”創刊号”」のタイトルにも表したつもりです。実際、参加者の感想を読むと、また取り組みをはじめたいとうずうずしてきました。さて、次は何をやろうか・・・興味をお持ちの方は、私までご連絡ください。


新しい事務局員を紹介します

事務局 本多 史和

はじめまして。本多史和(ふみかず)と申します。
私は工科大学を卒業後、神奈川の電気工事会社を経て05年7月、城北法律事務所に入所しました。

前会社では1ヶ月平均80時間以上のいわゆる『サービス残業』を強いられていましたが、現在は前会社の不当労働行為を改善させるべく横浜地方裁判所へ提訴し、労働基準監督署へも告訴してサービス残業が続いている現従業員の為にも頑張っています。
私自身、裁判の原告となり様々なストレスや不安を抱えています。しかし弁護士や事務局の方々、支援して頂いている方々に支えられているおかげで笑って日々の生活を過ごしています。
『自分を応援してくれる人達がいる』こんな嬉しいことはありません。こんな頼もしいこともありません。このような当たり前のことを今更ながらに実感し感謝しています。
そしてこれからは、私と同様のストレスや不安を抱えているいろいろな人達にとって、今度は私自身が支えとなれるよう、法律事務員として私個人として日々努力していきたいと考えています。


事務局 吉野 将宣

昨年の7月より、城北法律事務所の一員となりました吉野将宣です。
入所してから早くも半年が経ちました。大学で4年間学んだ法律を生かし、人の役に立つ仕事をしたいと思っていた私は法律事務職員という仕事に日々やりがいを実感しています。
様々な業務の中でも、サラ金会社の違法な金利を利息制限法でひきなおした結果、過払金が生じた時は直接自分が依頼者の役に立てた様で特に嬉しく感じます。
学生の時に民法の講義で、なんとなく聞き流していた利息制限法が、このような形で人の役に立っているとは思いもしませんでした。
日常生活において様々な法律が色々な場面で生かされていることを日々実感しています。これからも、単に業務をこなすだけではなく、自分の行っている業務がどのような法律と関係があり、その法律が依頼者にどのように役に立っているのかということを考えながら自己研鑽を積んでいきたいと思います。
まだまだ未熟な私ですが、どうぞよろしくお願いします。