城北法律事務所 ニュース No.55(2007.2.15)
目次
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- 1 佐々木芳男弁護士を偲んで
- 2 佐々木芳男さんのこと「きらめく日々」
- 3 佐々木さん、さようなら
- Page 3
- 1 法律相談 Part 1
- 2 法律相談 Part 2
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- 1 「戦争のできる国」づくりにつながる改憲手続き法案(国民投票法案)を廃案に
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- 1 一緒に「がんばろう」
- 2 さあ、全面解決へ!「東京大気汚染裁判」
- 3 高年齢者継続雇用制度の導入にあたって
- 4 生存権裁判- 生活保護老齢加算廃止の取り消しを求める
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- 1 今年こそ大転換の年に
- 2 区民の財産を無償貸与 板橋・加賀保育園
- 3 「ザ・弁護士」
- 4 映画「それでもボクはやってない」
- Page 7
- 1 「第九」と憲法(9条)
- 2 空前絶後の薬害・イレッサ
- 3 ライブドア株主被害集団訴訟の現状
- 4 情も理もない判決 中国「残留孤児」国賠訴訟東京地裁判決
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- 1 新しい所員を紹介します
- 2 最強の敗者 ~自由法曹団ソフトボール大会~
- 3 お知らせ
一緒に「がんばろう」
弁護士 津田二郎
先日ライブに行った。聴衆は10代から20代が中心だったが、60代の姿も。約300人。会場は満員。
ライブで演奏された曲に「がんばろう」があった。ご存じの方も多いかもしれない。三池争議の中で生まれた、「がんばろう、突き上げる空に」で始まるあの曲である。会場では、老いも若きも楽しげに踊り、歌っていた。
演奏していたのは「ソウルフラワー・モノノケサミット」。彼らは、阪神淡路大震災の被災者を励ますため出前出張ライブ活動を開始し現在も続けている。震災の被災者で行き場がなかった高齢者、日雇い労働者、在日コリアンなどのために、なじみのある労働歌や戦後のはやり歌、沖縄・朝鮮・アイヌ民謡などを演奏した。それもライフラインの切断された被災地で電気を使わなくていいようにチンドンソングにアレンジして。「がんばろう」も神戸で歌われた一曲だった。
そんな彼らの今回のライブは、2月に辺野古で行われる平和音楽祭のプレイベントだった。沖縄に在住しているメンバーの一人が企画したものだという。
教育基本法「改正」、辺野古基地移転、憲法改正などさまざまな問題があるが、年代を超えて一緒にがんばる方法は幾らでもあることを実感した夜だった。
さあ、全面解決へ!「東京大気汚染裁判」
弁護士 小沢年樹
【昨年9月の高裁解決勧告 新救済制度の実現へ】
昨年9月28日、東京高裁は、東京大気汚染1次訴訟の結審にあたり、「早期・抜本的・最終的な解決」のために関係者が英知を集めて協力するよう、解決勧告を行った。これとときを同じくして、石原都知事は年来の私たちの要求であった<CODE NUM=00A2>自動車メーカーも財源負担する医療費救済制度の創設<CODE NUM=00A3>を裁判解決のために提起することを発表し、その後、東京都・国・自動車メーカーが財源負担する医療費救済制度を提案した。この案は、気管支ぜんそく以外の公害病を対象外とする弱点を持ちつつ、都内全域の全てのぜんそく患者の医療費を全額支給する点で、公害対策を大きく前進させるきわめて画期的な被害者救済制度であると高く評価できるものである。
本年1月末現在、国は救済制度の財源拠出を拒んでいるが、焦点の自動車メーカーは消極的態度から転じて財源拠出に応ずる方向に動いている。全面解決の柱のひとつ、あらたな救済制度実現のめどは立ちつつある。残された大きな課題は、長年にわたりぜんそく発作に苦しめられ、身体的・精神的・経済的・社会的に甚大な損失を受けてきた原告らへの謝罪と賠償である。自動車メーカーの決断を促すため、みなさまのご理解・ご協力を!
高年齢者継続雇用制度の導入にあたって
弁護士 小薗江博之
勤労意欲を有する高齢者が長年培った知識と経験を生かして働き続け、年金受給までの安定した収入が得られるように、高年齢者雇用安定法の改正により、昨年4月から、65歳未満の定年の定めをしている事業主は、定年の引き上げ、継続雇用制度(被雇用者が希望するときは、その定年後も引き続いて雇用する制度)、定年制の廃止のいずれかを導入しなければならないとされました。
大企業の中には、65歳まで定年延長した企業もありますが、多くは継続雇用制度を講じました。しかし再雇用の対象となる高年齢者の基準について、できるだけ雇用継続しないために、恣意的な基準を設ける大企業が多くなって社会問題になっています。入社以来一度も遅刻欠勤をしたことがない者(A社)、勤務成績が標準を超える(標準は含まれないことになります)者(B社)、退職金の500万円以上の減額に応じた者(B社)などが不当な基準の例です。65歳まで勤務希望の者は定年の数年前に会社を退職(再雇用)しなければならない(C社)との例もあります。再雇用後の賃金は、現職時より大幅に低いことが通例ですので、雇用継続を求めると収入は減ります。雇用継続も含めて、年金受給までの安定した収入の確保が求められていると思います。
生存権裁判- 生活保護老齢加算廃止の取り消しを求める
弁護士 田見高秀
憲法25条は、基本的人権としての生存権を認め、国に社会保障の義務があることを定めた大事な条文ですが、この憲法25条を正面に据えて、国の余りに劣悪な生活保護基準の違憲性を東京地裁判決(1957年8月提訴、1960年10月判決)で認めさせた「朝日訴訟」は、憲法判例として余りにも有名です。
この画期的判決の半年前の1960年4月、70歳以上の高齢者には、観劇、雑誌、通信費などの教養費、下衣、毛布、老眼鏡等の被服・身廻り品、炭、ゆたんぽ、入浴料等の保健衛生費、及び茶、菓子、果物等のし好品等の特有の需要があるとして、生活保護費に一定額を上積みする老齢加算制度が発足しました。
ほぼ45年の間、この制度は維持されてきましたが、2004年から加算は不必要として3年間で段階的に廃止するとの政府の方針が出され、所得のない、多くは単身の高齢者が、おおむね毎月1万7000円程の保護費が減額されました。京都など各地で減額の取消を求める訴訟が提訴されてきましたが、今春、東京でもこの訴訟が提起され、私も弁護団の一員となります。ご支援お願いします。
ちなみに、「生存権」は英語では、<The Right to Live>。