城北法律事務所 ニュース No.57(2008.1.1)
目次
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- 1 薬害肝炎訴訟大阪高裁より和解勧告される!
- 2 若者の貧困と労働問題に立ち向かう「首都圏青年ユニオン」「私たちはモノではない。人間らしく生きたい」
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- 1 身近な法律相談
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- 1 外国人の権利を守ることは国際貢献の一つ~移住労働者の権利擁護に取り組んで~
- 2 薬害イレッサ訴訟 ~がん患者の生命の重さを問う~
- 3 司法研修所教官になって ~2年間を振り返って~
- 4 ぜんそく患者医療費助成制度がいよいよスタートします!
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- 1 救急車を呼ぶことに躊躇しないで下さい。ー子どもの命を大事にして下さいー
- 2 区民相談に携わって ~初心に立ち返って~
- 3 加賀保育園の裁判、いよいよ正念場へ
- 4 在職40年を過ぎて
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- 1 時の足音 ~生存権裁判東京訴訟~
- 2 アスベスト訴訟、いよいよ提訴-100名以上の原告が着々と訴訟準備中-
- 3 緊急命令5本を受けて郵便局にあいついで組合事務室!
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- 1 戦争被害は終わっていません~中国遺棄化学兵器被害者訴訟~
- 2 黒目川と鮎
- 3 不当解雇事件を労働審判で解決泣き寝入りしない強さ
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- 1 平和の大切さを実感して
- 2 スタートライン
救急車を呼ぶことに躊躇しないで下さい。
ー子どもの命を大事にして下さいー
弁護士 大八木葉子
平成14年5月、1人の高校生T君が希望を持って入学したばかりの高校校庭で倒れ、その日のうちに死亡しました。体育教諭と養護教諭は、T君が過換気症候群(過呼吸)であると判断し、救急車を呼ばずに学校でペーパーバックセラピー(ビニール袋を口に当てて呼吸を整えさせる方法、酸素の吸入が制限される)を施し、タクシーで帰宅させました。帰宅直後に倒れたT君は救急搬送されたものの死亡しました。
裁判の中で、当時のT君は過換気症候群ではなく、「日常から明らかに外れた状態」であり学校の行ったペーパーバックセラピーは禁忌であったこと、直ちに適切な医療機関の治療を受けなければならない状態だったこと等が明らかになっていきました。
平成19年11月2日、和解が成立し、被告神奈川県は、両親に対し、T君に早期に適切な医療機関において治療を受ける機会を失わせたことを陳謝した上、本事件の教訓を生かし、再発防止に最大限の努力をすることを誓約しました。
ご両親も願うことは「再発防止」と「生徒の命を第一に」と仰っていました。私も、子どもの命を預かる学校は救急車を呼ぶことに躊躇することなく、何よりも子どもの命を大事にして頂きたいと強く願っています。
区民相談に携わって ~初心に立ち返って~
弁護士 小薗江博之
05年4月から、練馬区の区民相談所で、法律相談(年13~14日)を担当するようになりました。区内には1000人前後の弁護士が在住していますが、約60人が委嘱を受けています。毎回12~18の枠は予約で埋まり、区民相談所設置の必要性を強く感じます。
城北法律事務所でも毎年統計を取っていますが、相談内容別の割合を比較すると、隣家との境界・騒音・日照などの相談割合は高くなっています。このような相談は、すぐに法律事務所では相談しにくい案件なのでしょう。
相続問題は比較すると特に割合は高く、問題解決の第1歩としての相談をしてみようという動機が多いようです。相談をお伺いしていると、弁護士の職種が、遺産分割協議書を作成したり、税務も含めた遺産についての紛争を総合的に解決できる職種であるということが案外知られていないことがわかります。
事務所は、1960年に、それまでの東京の法律事務所が銀座など都心にしかなかったことから、住民近接型の事務所として誕生しました。今年はさらに身近に相談できる弁護士をめざしたいと思います。事務所でも学習会を開催しますので、そちらもよろしくお願いします。
加賀保育園の裁判、いよいよ正念場へ
弁護士 深山麻美子
私が司法研修所の刑事弁護教官に就任して2年が過ぎ、任期はあと1年となりました。この間、旧司法試験合格者を対象とする現行修習、新司法試験合格者(法科大学院修了者)を対象とする新修習が並行実施されています。このような事態は、当然のことながら過去に前例もなく、また、数年後には新修習に一本化されますので、現在の教官しか経験しない過渡的なものです。
私が心配しているのは、新修習は、期間がわずか1年しかなく、このような中で司法修習生の誰もが実務家としての最低限の能力を身に付けることができるのかということです。現行修習では、司法修習の最初に前期修習があり、そこで、実務の基本を学んだ上で実務修習に入りますが、新修習ではこの前期修習がなく(法科大学院で学ぶという建前になっています)、いきなり実務修習に入ってしまいます。新修習が今後どう推移していくのか不確定要素も多いですが、あと1年の教官生活、何とか頑張って行きたいと思っています。
在職40年を過ぎて
弁護士 小林幹治
昨年は私の在職40年を祝う会に、お忙しいなかを多くの皆様にお集まりいただき、たくさんのお祝辞もいただきました。ありがとうございました。
あっという間に40年の歳月が過ぎ去ってしまったのか、という思いです。昨年は二世の方も含め多くの所員の参加もありました。事務所は質量ともに発展していくでしょう。
私自身は、まだ頼ってくださる方がいらっしゃいますし、今年も内外ともに激動の年になりそうです。ますます健康に留意して、多くの方のお役に立っていきたいと念願しております。
歩みはゆっくりであっても、どういう年になろうとも、この1年を乗り切ることを心掛けていこうと考えております。
今年もよろしくお願いいたします。