城北法律事務所 ニュース No.61(2010.1.1)

目次

<新しい所員を紹介します>

「しらとりれいこ」でございます

弁護士 白鳥玲子

はじめまして。2009年9月に入所しました白鳥玲子です。茨城県つくば市で生まれ育ち、大学進学とともに上京しました。2005年10月に弁護士登録し、城北法律事務所には弁護士5年目になる直前で中途入所をしました。

これまで一般民事事件を中心に、労働事件、刑事事件、中小企業の企業法務を担当させていただきつつ、薬害イレッサ訴訟や在日ビルマ難民弁護団といった人権活動にも取り組んできました。

まだ短い弁護士生活ではありますが、依頼者の皆さまをはじめ、たくさんの方々との出会いに励まされ、なんとか仕事をしてこられたように思います。先日は、ある私の尊敬する方から「神様、私にお与えください。自分に変えられないものを受け入れる落ち着きを、変えられるものは変えていく勇気を。そして二つのものを見分ける賢さを」という祈りの言葉を教えていただきました。法律に関して「賢さ」を身につけることで、依頼者の皆さまの落ち着きと勇気の判断の手助けができたらいいなと思っています。

私の特徴といえば、「しらとりれいこ」という名前でしょうか。1990年ころに「白鳥麗子でございます!」という、漫画とテレビドラマが流行り、思春期を直撃しました。いろんなことがあったため、世の中を少し恨んだ時期もありましたが(大げさです)、仕事を始めてからはいいことずくめ。お会いする皆さまにすぐに名前を覚えていただけることが多いことは本当にありがたいことです。また、とりたてて特徴もない私が名前だけで表舞台に立たせてもらえるために度胸と図太さが身に付きました。今では自分の運命に感謝しています。

城北法律事務所は弁護士が22人と都内の市民派法律事務所では有数の規模であり、いつも賑やかであたたかいところです。城北法律事務所の一員として、ますます研鑽を積み、仕事に邁進していきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。


人びとをつなぐ草の根のビラ
葛飾ビラ配布最高裁判決

弁護士 菊池 紘

荒川庸生さんは、区議会報告などのビラをマンションで各戸に配ったのを、住居侵入として逮捕され起訴された。1審の東京地裁は無罪としたが、東京高裁は逆転有罪。そして11月30日、最高裁は上告を棄却する不当判決を言い渡した。憲法上の言論表現の自由に正面からとりくむことなく、「住民の安全」のためとしてビラ配布を禁止した管理組合決定のみをいう判決は、マスコミの多くから批判されている。

「生活苦から死のうとしたが、ポストに入ったビラを思い出し、自殺を思いとどまった」といった励ましが、荒川さんに寄せられている。池袋でもビラを見て「派遣村」にきて生活保護を受けた人もいる。草の根のビラは人びとのつながりをつくっている。


皆さんはアメリカの大金持ちのゲーテッドタウンをご存じか。今度は池袋本町に「城郭のようなゲーテッドマンション」が売り出されている。「剣先フェンスとゲートセキュリティによる安全」が売りとされている。

ふとエドガー・アラン・ポーの「赤死病の仮面」を思い出した。恐ろしい疫病が猛威をふるうなかで、騎士や貴婦人から健康な者千名を選びだし、内から鍵をかけて城砦のような建物に引きこもる話だ。

草の根のビラによる人々のつながりか、地域の人々を排除し塀の中に閉じこもることによる「安全」か、よく考えてみたい。


ハンドブック紹介

約6年前に城北法律事務所と第一経理がタッグを組んで作成した「中小企業経営のためのハンドブック」(旬報社)が、このたびパワーアップして帰ってまいりました。その名も「中小企業の経営実務ハンドブック」(旬報社)。旅に出た息子が逞しい青年となって戻ってきたのと同じくらい(?)、内容は充実したものとなっています。

ぜひご一読ください。
今年もよろしくお願いいたします