城北法律事務所 ニュース No.62(2010.8.1)


Notice: Array to string conversion in /home/users/web03/1/1/0150011/www.jyohoku-law.com/wp/wp-content/themes/jyohoku-law.com/functions.php on line 75
Array

薬害肝炎弁護団の7年間を振り返って

弁護士 武田志穂
2002年弁護士登録
主な事件:債務整理事件、家事事件、医療事件など

私は弁護士登録をした2002年に薬害肝炎弁護団に入団し、以後活動を継続してきました。 

2007年の12月に被告国との間で基本合意が成立し、翌2008年1月には薬害肝炎被害救済法が、2009年11月には肝炎対策基本法が成立しました。弁護士登録直後はまだ時間的にも余裕があり、弁護団活動に時間をかけられる時期ですので、その時期に薬害肝炎弁護団で活動できたことはとても幸運だったと思います。

弁護団での活動は、他の優秀な弁護士とともに行動することができ、とても勉強になるいい機会でした。そこで培ったさまざまなノウハウを、今後いろいろな場面で利用できていければと考えています。

なお、薬害肝炎の裁判はもう終わったと思っていらっしゃる方が多いかと思いますが、裁判はまだ続いています。個別の原告との関係で、国が本件裁判で問題となったフィブリノゲン製剤の投与の有無、フィブリノゲン製剤によってC型肝炎に感染したのかどうか(因果関係)を争っているケースなどについて、まだ裁判は継続しています。

一日でも早くすべての原告に解決の日が訪れるよう、尽力していきたいと思います。


アメリカで学んできました

弁護士 田場暁生
2003年弁護士登録
主な事件:建築、交通事故、家事(離婚、相続)、労働、金銭貸借等契約一般、不動産、借地借家等
弁護団事件:郵便局深夜勤務不利益変更訴訟、東映退職金不利益変更訴訟、イラク日本人「人質」事件、中国「残留孤児」国賠訴訟、板橋保育園民、営化住民訴訟、板橋高校威力業務妨害事件
2010年アメリカン大学ロースクール(LLM)卒業。日弁連憲法委員会委員。第二東京弁護士会憲法委員会前副委員長。

練馬生まれの練馬育ち。城北地域をはじめとした多くの方からのご相談を受けてきました。

日本の弁護士実務に携わった後、アメリカのロースクールで学び、異国の法と社会を知るとともに、日本社会と法、そして自らを振り返る機会を得ました。良くも悪くも日本に押し寄せる「アメリカ化」。「最近日本で”画期的”と言われる判決が出たが、アメリカではだいぶ前から同じような判決があったのか」と気付かされることだけでなく、法律家の弁論能力にもたびたび驚かされました。

アメリカの法制度や議論は、しばらく経ってから日本に導入されることが多いと言われています。

日本の新たな法制度を日々研鑽することはもちろん、「法の国」アメリカで得た引き出しもみなさまのお役に立てたいと思います。

今後ともよろしくお願いいたします。


27年の経験

弁護士 田見高秀
2007年弁護士登録
1983年弁護士登録
得意分野:民事全般・行政民事事件

弁護士登録して早や27年経ちました。扱い事件は、8〜9割が民事事件です。

扱いが多い順では、まず、土地・建物の賃貸借を巡る事件(借地借家契約の解除・解約・立退料、地代・家賃の増減額、借地上の建物の建替え・増改築・修繕、賃貸借契約の更新・更新料、契約終了時の原状回復・敷金保証金の返還など)。

次いでは、家庭紛争での家事事件(離婚・離縁・親権・面接交渉などの親族事件、遺産分割・遺留分・遺言書などの相続事件)。

それに次ぐというと、不動産の売買・担保などの契約の際のトラブルや会社の取引先との交渉・契約の際のトラブルなどに関して契約書の作成や作成上のアドバイスといった予防法学的な相談事件でしょうか。

このほかに、元来の自分の関心事として、行政処分が個人の生活に絡む部分で、対行政の行政民事事件があります。たとえば、道路など公共物を建造する際の道路予定地地権者の立ち退きとか、区画整理の際の換地・損失補償問題など。

社会福祉の分野で、介護保険の要介護認定とか生活保護など。近年、個人と個人の紛争だけでなく、個人と行政との紛争でも、弁護士のサポートを要する案件が増えてきていると感じています。


弁護士の役割

弁護士 津田二郎
2004年弁護士登録
主な事件:民事事件(借地借家、交通事故、不動産取引、請負代金、金銭債権など)/家事事件(遺産相続事件、離婚事件、成年後見、遺言作成など)/労働事件(賃金未払事件、不当解雇事件、セクハラ事件など)/債務整理(破産、民事再生、任意整理)/刑事事件/弁護団事件(薬害イレッサ訴訟、世田谷国家公務員法違反事件など)

私が入所して6年目になりました。

入所以来多くの事件を担当してきましたが、依頼者やその協力者の方の熱意が解決に大きく影響を与える様をつぶさに見ることができました。

求める解決を得るためには、事件に最も精通している依頼者やその協力者のみなさんの力を出し尽くすことが必要だというのが実感です。

弁護士業務は多くの方の力を合わせるための結節点となること。そのことを学びました。専門的な知識は、このような方たちの熱意に応えるための道具であること、知恵を出し工夫をすることで熱意を実現すること。それが弁護士としての仕事のやりがいであり求められる資質なのではないかと思っています。

今では当たり前になっている痴漢事件などでの遮蔽措置は、元は薬害HIV訴訟の原告の裁判を受ける権利を実現するために工夫されたものでした。

私が弁護士に登録して以降も労働審判制度、刑事事件では裁判員裁判制度、被害者参加制度、被疑者国選など新しい制度が次々導入されています。

これらの制度も適切に利用して、工夫をしながらみなさんの熱意が実現できるようみなさんと力を合わせたいと思います。