城北法律事務所 ニュース No.65(2012.1.1)
目次
- Page 2
- 1 薬害イレッサ訴訟 高裁で不当判決
- 2 B型肝炎訴訟 和解手続が始まりました
- 3 ライブドア集団訴訟 東京高裁で逆転全面勝訴
- 4 薬害イレッサ事件を通して がん患者が大切にされる医療を願って
- Page 3
- 1 弁護士登録30年 まだまだ大変です
- 2 ラリパレに参加して 反原発の思いあらたに
- 3 原発再稼働の何が問題か 巨大地震とストレステスト
- 4 はじめての2つ MRI検査とハワイ
- Page 4
- 1 本場中国の味をご賞味ください
- 2 大きくなったら
- 3 自由法曹団記念映像を制作して
- 4 弁護士との信頼関係
- 5 1日1日を大事に
- 6 弁護士岡村香里退所挨拶 お世話になりました
- Page 5
- 1 離婚問題〜親権者の争いがある場合
- 2 明渡し問題賃借人が賃料を払ってくれない、どうしたら?
- 3 借地での建替承諾料を払えば可能です
- 4 ある少年事件から失敗してもやり直すことの大切さ
- Page 6
- 1 さよなら原発東京北部ラリー&パレード原発をなくそう
- 2 原発事故と自然エネルギー
- Page 7
- 1 2011年9月16日の事務所セミナーから法律相談 ◆ 相続
- 2 2011年7月12日の事務所セミナーから 法律相談 ◆ 債権回収
- Page 8
- 1 震災ボランティアはまだまだ必要です〜石巻・女川の状況〜
- 2 「流れを変えよう 9.11と3.11 そして—」自由法曹団が90周年
- 3 事務局長退任 飯田良哉
- 4 事務局長就任 宮脇秀行
- 5 署名協力のお礼
弁護士登録30年 まだまだ大変です
弁護士 小薗江 博之
一昨年の裁判で、借用証があり、借主が署名して実印を押し、印鑑証明を添付したものであっても、金銭貸付の事実は信用できないと敗訴しました。
金額が3000万円なのに、現金で渡すのは不自然であること、借主が余事記載を防ぐために紙を切ったのに、切り落としたのは貸主で、不利なことが書いてあったのでは等の疑問を付されました。貸主は業者ではなく、狡猾な借主側の手口に乗ってしまったのです。幸い高等裁判所で逆転勝訴しました。
逆に、闇金からお金を借りた事案では、400万円の契約書があっても、高利(60万円)の天引きをしていた(実際には340万円しか貸付していない)のですが、闇金業者が天引きしていることは常識なのに、契約書の400万という金額をたてにとって、裁判所は、天引きを認定しませんでした。
この件は高等裁判所で、天引きを推認する常識的な和解を進めていただき、妥当な結論に達しました。
今年4月で弁護士登録満30年になりますが、30年をふりかえっても、正直なところ、裁判で事実を証明することは簡単ではありません。
ラリパレに参加して 反原発の思いあらたに
弁護士 工藤裕之
昨年(2011年)11月27日に、私も妻と一緒に「さよなら原発東京北部ラリー&パレード」に参加しました。妻と集会やデモに参加した記憶は、ほとんどなく、新鮮な気持ちでした。
東日本大震災の津波による原発事故は、原発の安全神話なるものが、文字通り、ありもしない、でたらめなものであることを明らかにしました。
とりわけ、一般のデモであれば、街を歩いている人たちから、うさん臭そうな眼で見られることが多いのに、今回のデモ(パレード)は、そうではなく、むしろ好意を持って受け入れられているように強く感じました。それだけ、国民の中での危機感が強いのだと思います。
また、デモのコースには、春日通りを挟んで湯島天神の向かい辺りに、私が、20年以上前に司法修習生として、8ヶ月間通った旧司法研修所があり(隣りが旧岩崎邸庭園)、また、上野公園のすぐ近くには、入所パーティが行われた東天紅もあって、反原発の思いとともに、20年以上前の司法修習生時代にも暫し思いをはせることができました。
原発再稼働の何が問題か 巨大地震とストレステスト
弁護士 菊池 紘
野田首相は夏までに再稼働するとしています。電源車配備などを前提に、ストレステストを保安院と原子力安全委員会がチェックしたうえで再稼働するというのです。
しかし、防潮堤のかさ上げや電源車配備など小手先の津波対策以前に、「大地動乱の時代」(石橋克彦)を迎える今、巨大地震に原子炉が耐えられるのかが問題です。
電源喪失とは別に、圧力容器内で炉心溶融をおこす冷却水の水位低下や喪失がなぜ起きたのかが問題で、これは津波でなく地震で起きた可能性が強いとされています。配管などが地震により破壊され、冷却水が原子炉から流れ出したとみられるのです。
炉心がある圧力容器から、外側の格納容器に冷却水が漏れるとすごい力がかかり、強い水蒸気が噴出し、エアーハンマーと呼ばれる強烈な衝撃がかかります。こうした経過で、圧力抑制室などが破壊され、これに津波と電源喪失が重なって、水素爆発につながったのではないかとの見方がでているのです。
ストレステストは地震についても検討してはいますが、福島の事故の経過と原因さえいまだ不明なまま、「原子力ムラ」の保安院や原子力安全委員会のなれあい審査により、再稼働に道をひらくなど、到底認められません。
はじめての2つ MRI検査とハワイ
弁護士 白鳥玲子
昨年初めてMRIを撮りました。「着替えてください」「ここに寝てください」「縛ります」「おもりを乗せます」「動きます」「中はうるさいですから、これ(ヘッドホン)かけて。行ってらっしゃい」と流れ作業。基本的な検査なので事前に説明がないのも当然ですが、何にも知らない、まな板の上の鯉になってみると、とっても心細いもの。「縛るってどうして?」「うるさいって何が?」と聞く間もなく、終始ドキドキしました。私も弁護士7年目。だいぶ仕事に慣れてはきたけれど、専門家の端くれとして、「お客様には充分説明しなくては!」と改めて思った貴重な経験でした。
もうひとつは、はじめてのハワイ。この〜木なんの木、気になる木〜♪(例のテレビコマーシャルの木)は、ハワイのオアフ島にある木だと現地で知りました。モアナルア・ガーデンという公園の木で、同じ種類の木(モンキーポッド)が何本もあるのに、CMの木だけが大人気で周りの芝生が踏みしだかれてしまっていました。振り返れば公園内は日本人ばかり。緑美しい公園なのに日本人以外は興味を抱かないらしい…。そんな浮かれた日本人が一人(私!)、写りこんでいる写真でございます。
この1年が、元気が出る1年になりますように。