城北法律事務所 ニュース No.73(2016.1.1)

目次

ブラック地主・家主
対策弁護団を設立しました

弁護士 種田和敏

「うちが土地を買って、地主になった。うちはもう貸すつもりはないから、出て行くか、土地を買ってもらうかのどちらかだ!」

親の代から長年にわたり、地主から土地を借り、家を建てて家族と住んでいたAさんが、突然、自宅に黒いスーツに身を包んだ男性2人の訪問を受けて、強い口調で告げられた内容です。

2014年の夏頃から、相続税増税の影響もあってか、不動産業者等が地主から借地の所有権を買い受けた上で、法律を無視し、借地人に土地の明渡しや底地権の買取りを求め、これに応じないと執拗かつ脅迫じみた対応をしてくる事例が目立ってきました。

これに対して、東京借地借家人組合連合会弁護団を中心に、2015年6月、借地人・借家人の権利を守り、法律の根拠もなく、不当に借地や借家からの立ち退きを求めてきたり、高額な金銭(更新料・賃料等)を要求してきたりする地主・家主(ブラック地主・家主)からの被害救済のために弁護団(田見高秀団長)を設立しました。

借地・借家は居住・営業という最も基本的な生活基盤であり、これについて生じる悩みは深刻です。私たちは、ブラック地主や家主対策弁護団を設立し、体制をさらに強化して対応が可能になりました。住む権利を守るため、家族だけで悩まず、お気軽に私たちにご連絡ください。


R26号線
ハッピーロード大山商店街を守ろう!

弁護士 湯山花苗

ハッピーロードがなくなる!?

そんな衝撃的な話を現実のものとする事業が、今話題の特定補助26号線整備事業です。東京都は、2015年2月24日、国土交通省から約70年前に都市計画決定のあった道路事業の認可を取得し事業に着手したと発表しました。

この26号線は、今ある商店街を分断するように通す計画となっており、アーケードが壊されるのは当然のことながら、幅20メートル超の道路の開通となるため、この事業に伴って街の様相が一変することは必至です。

しかし、今なお、東京都からハッピーロードの地権者や事業者に対する詳しい説明はありません。利用者も含め、もっとも利害関係のある地域の人たちが、置いてきぼりとなって開発が進んでいるのです。

私たちは弁護団を結成し、地域の人たちを原告として、2015年8月21日、国を被告として、「都市計画事業の認可処分を取消す」ことを求めて提訴しました。今後、認可の根拠となっている都市計画決定が権限のない者によってなされたうえ手続的にも瑕疵があること、認可自体にも問題があることを指摘し、さらには、街づくりにおける主役は地域の人であることを強く訴えていきます(傍聴歓迎です)。

一緒にハッピーロードを守りましょう!


ひとこと

小林幹治

4本から2本、そして3本にという話のように、髄液シャント手術を受けた後、(杖をついて)3本足になってしまいました。それではならじとリハビリに通いはじめた昨今です。成果はまだ出ていませんが、今年中には2本足に戻れるよう努めています。

工藤裕之

今年の春で弁護士登録をして丸25年になります。電車に乗り、ふと周りを見ると、ほとんどの人が私より若いことに気づき、こんなときに自分の年齢を自覚したりします。あっという間の25年でした。今後も、考えること、作業することをいとわないで、少しずつでも前に進んでいきたいと思います。今後ともよろしくお願い申し上げます。

田見高秀

北鎌倉「ビブリア古書堂の事件手帳」(著者三上延)って超ミリオンセラー本。私、愛読者です。2巻に足塚不二雄「UTOPIA 最後の世界大戦」(鶴書房版)の話しあり。昭和28年出版の漫画(藤子不二雄のデビュー時ペンネームなのだ)。現存10冊、古書値段はビックリ。最後の世界大戦の結末を知ってぜひ読んでみたくなった。人類の持つ愛情が信じられる話だ。興味があったらご一読を。では、また。

白鳥玲子

夫と私の両親と一緒に、総勢7人で温泉旅行に行きました。子どもが2歳のため、こうした旅行は時期尚早かと思われましたが、子どもも両方の両親も楽しんでくれたようでした。仕事と育児で綱渡りのように毎日感じていましたが、育児もだいぶ楽になりました。今年も私がやれることを精一杯やっていこうと思います。

嶋田彰浩

早いもので、今年長男は小学2年生、次男は保育園の年長になります。妻にもフルタイムで働いてもらっていて、当然家事も育児も分担しなければならないのですが、妻にほとんど任せっきりになってしまっています。口では偉そうなことを言っていながら行動が伴っていないことを自覚して、今年こそ家庭と仕事の両立を目指していきたいと思います。

茨木智子

昨年は激動の一年でした。いろいろな場面で同期や知人が奮闘している姿を見ると励まされます。同時に、自分には何ができるんだろう? と考えます。一緒に現場で闘うことも、近くで支援することも、離れた場所から応援することも、どれも必要なことで全部が合わさって力になると信じています。自分にできる最善は何かを問いながら、今年もがんばります。よろしくお願いいたします。