城北法律事務所 ニュース No.77(2018.1.1)

「生業を返せ、地域を返せ!」 福島原発訴訟で勝訴判決!!

弁護士 舩尾 遼

2017年10月10日、私が弁護士になって以来取り組んできた福島地方裁判所での原発訴訟で勝訴判決が出されました。この訴訟は、約4000名の原告を組織する全国最大規模の集団訴訟です。

福島第一原子力発電所事故が起きたことに対する法的な責任を国に認めた画期的な判決です。

利潤追求のみをめざす現在の政府の姿勢に対して、原発は一度事故が起きると取り返しがつかない被害が発生するとして、裁判所がNOを突きつけました。津波を予見できたのに、コストを理由に対策から逃げていた東電を追認するかのような国の姿勢が断罪されました。

一方で、賠償額の時期と範囲は広がりましたが、まだまだ不充分の判決でした。被害者の被害をくみ取り、完全賠償を勝ち取り、全ての原発を廃炉にするまで、私たちのたたかいは続きます。

国も原告も控訴しましたので、仙台高裁での訴訟について、今後もご支援よろしくお願いいたします。


新入職員紹介 事務局

梅村知尋<うめむらちひろ>

はじめまして。昨年7月からお世話になっております、事務局の梅村知尋です。実は、城北法律事務所とは私が生まれる10年以上も前から繋がっていたようです。今から30数年ほど前、被爆者援護法を求めて豊島公会堂で国民法廷が開かれた時、その中心になったのが城北法律事務所でした。当時私の両親が所属する法律事務所も企画から一緒に参加していたので、両親も何度か会議に参加して、故佐々木弁護士や事務局の村山さんたちと熱い議論を重ねていたのだそうです。その後も、横浜米軍機墜落事故、池子米軍基地署名運動などに参加していたので、両親と一緒に私も小学生の頃に憲法フェスティバルに参加したり、ハンセン病施設に出向いたりして、平和や命が何よりも大切なものと教えられ、平和や人権を守る弁護士の存在をまぶしく感じながら成長してきました(3歳の娘は横浜米軍機墜落事故被害者の土支田和枝さんの絵本「愛のばらカズエ」に夢中です)。

そんな不思議なご縁に導かれてか、法律に携わる仕事がしたいという念願がかない、現在、修行の真っただ中です。

先般、HPVワクチン薬害訴訟の原告の方から交流会でお話しを聞く機会を頂きました。被害者の涙ながらの陳述を真っ向から否定する国の姿勢に、同じ人間かと疑いたくなりました。声にできないでいる多くの被害者の現実を知ること、そして痛みを共有することが何より大事なことだと気づかされました。理不尽な社会に対して声を上げ続けていきたいと思っています。

これからもどうぞよろしくお願いいたします。


署名のお願い

2017年突然の衆議院総選挙が終わり、安倍首相は2018年、憲法9条を中心とした改憲にむけていよいよ本格的に動き出そうとしています。

平和と民主主義の守り手として地域に根差した活動を行ってきた城北法律事務所では、安倍政権の下での憲法9条改憲を許さないという立場から「安倍9条改憲NO!憲法を生かす全国統一署名」(3000万人署名)へのご協力を訴えます。署名用紙とともに返信用封筒を同封いたしました。ご家族、ご近所、お友達にも広く呼びかけていただき、当事務所までご送付ください。ご協力をお願いいたします。