城北法律事務所 ニュース No.81(2020.1.1)

〈事件報告〉訴訟の現場をゆく ~第1回・大山編~

弁護士 湯山 花苗片木 翔一郎

ハッピーロード大山商店街とは

突然ですが、皆さんは東京都板橋区にある「ハッピーロード大山商店街」をご存知でしょうか。テレビ・雑誌でも頻繁に取り上げられる、都内有数の全天候型アーケード商店街です。城北法律事務所のニュースでも、何度か取り上げているのでご存知の方もいらっしゃると思いますが、この商店街、今まさに存亡の危機に直面しています。とはいっても、「近くにショッピングモールができてお客さんが減ったから……。」といった理由ではございません。「ハッピーロード大山商店街」は今現在もたくさんのお客さんで賑わっています。日々新しいお店も入っています。

それでは何が危機の原因なのでしょうか。実は、東京都や板橋区、大手開発事業者らが、商店街を真っ二つに分断する「補助26号線」という道路の事業計画を進めているのです。そして、この補助26号線の事業認可については、板橋区の住民や、商店街の利用者、商店街の組合、板橋区の議員の方々、そして私たち城北法律事務所の弁護士が一体となって、事業認可を取り消してもらうための国に対する裁判をたたかっています。この裁判で勝ってみんなの暮らしを守るには、裁判で勝ちぬくことがもちろん大事ですが、なにより「ハッピーロード大山商店街」が多くの人に愛される大切な商店街であり続けることが重要です。

ハッピーロードを散策してみました

そこで、今回は「ハッピーロード大山商店街」の魅力を再発見するべく、城北法律事務所の二人の弁護士、湯山と片木が商店街を散策します。いったいどんな商店街なのでしょうか。

城北法律事務所がある池袋駅から東武東上線で3駅の大山駅南改札口を出ればそこはもう「ハッピーロード大山商店街」。大きなアーケードが私たちを出迎えてくれるので雨の日でも安心して買い物ができます。

ちなみに、アーケード内の自転車走行は禁止されているので、小さいお子さんを連れていても安心して買い物ができますし、高齢者の方もゆったりと歩くことができます。買い物だけではなく、顔なじみの人に会えるのも地元密着の商店街ならではの光景です。話し相手を探して歩くことができるのも、ビックコミュニティとして発展してきたことがうかがえます。

さて、アーケードを歩いていくと、昔ながらの店、チェーン店、小さい店、大きい店、ちょっとディープな店、いろいろなお店が混在しています。しかし、いずれのお店もたいへん賑わっているように見えました。専門店も多いので、欲しいものはだいたい揃うのではないでしょうか。

今回はせっかく商店街に来たので、裁判の内容についても勉強してみます。商店街から路地に入って川越街道との交差点のあたりにやってきました。緑のフェンスで覆われた空き地がありますが、ここから商店街の中を突き進む形で補助26号線が作られることになっているようです。ここで、どうやったら裁判をうまく進められそうか湯山が頭をひねっています。

さて、「ハッピーロード大山商店街」はとても長い商店街なので、歩いているとお腹がすいてしまうことも。特に今回は裁判の事を考えて頭を使ったので余計にお腹がすいてしまいました! こういうときに商店街を歩いていると、店頭販売をしているあちこちのお店からいい香りがしてくるので、ついつい。この日は焼き鳥と、TVで取り上げられた大きなハムカツを買ってしまいました。毎日の献立に迷った日には、商店街で歩きながら夕飯のお惣菜を探してみるのもいいかもしれません。

ところで、「ハッピーロード大山商店街」では、様々なものを安く買えるのはもちろんですが、常設のイベントスペース「ハッピースクェア」でいろいろな楽しいイベントが行われていることもあります。この日は食品廃棄、いわゆるフードロス削減のための啓発イベントが開かれていました。本来なら店頭に並ばずに廃棄されてしまうような不揃いな形の野菜で作ったスープが無料で配られていました。

おやつとスープでお腹を満たしたので、そろそろ駅の方に戻ります。今日はおやつを食べただけで買い物はしませんでしたが、アーケードによって雨除けができ、商店街の中に駅があるので、買い物袋をたくさん抱えていたとしても、帰り道が楽でうれしいです。

ちなみに、駅をはさんだすぐ反対側には「遊座大山商店街」という別の大きな商店街もあります。こちらへ行ってみるのも楽しいかもしれません。板橋区役所のすぐ近くなので区役所への用事のついでに遊ぶのもいいかもしれません。

終わりに

さて、「訴訟の現場をゆく~第1回・大山編~」はいかがでしたでしょうか。もし、今回の記事で少しでも「ハッピーロード大山商店街」について興味をもっていただけたのなら、実際に商店街に遊びにいってみてください。また、道路の事業認可についての裁判も2~3か月に1回の頻度で東京地方裁判所にて行っています。もうすぐドラマなどでよく見る証人尋問を行う予定です。一般の方でも予約など無しで傍聴ができますので足を運んでみてください(※)。みなさんの参加が商店街を守る力になります。

では、「訴訟の現場をゆく」、今度は別の現場でお会いしましょう。See you!

※傍聴希望人数によっては抽選になる場合があります。傍聴券配布予定などは東京地方裁判所にお尋ねください。