城北法律事務所 ニュースNo.87 2023新年号(2023.1.1)

弁護士に聞きたい どうして弁護士になったの?

熱いハートを燃やし続ける!

弁護士 松田 耕平

今回の事務所ニュースを書くにあたり、「どうして弁護士に?」というお題が与えられました。弁護士になってから20年が経ちますが、志望動機は今も忘れていません。忘れてはいませんが、20年経ったいま、改めて書くのも、少し…いや、かなり恥ずかしい…。断っておきますが、動機が恥ずかしいというわけではありません。お分かりいただける人も多いかと思いますが、向こう見ずな、青春真っ盛りの、希望に満ちていた時の気持ちを、年を経た今になって書き起こすというのは、恥ずかしさを伴いますよね?(誰に同意を求めているかも分かりませんが、そうですよね?)。

ということで、改めて書くのも何なので、弁護士になった当初、事務所ニュース(2003年・新春号)に書いた原稿を読み返してみました。冒頭にはこう書いてありました。

「皆さんはじめまして。1年半の司法修習を終えて昨年10月から弁護士となりました松田耕平と申します。生まれは東京都八王子市にある高尾山の麓、西浅川町。都内では珍しく緑あふれるすばらしい地域です。ということで私は大自然の下、汚れを知らない純粋な心を持ったまますくすくと育っていきました。もちろん現在もこの心に変化はありません。そして好奇心が旺盛なのか、スポーツ、音楽、読書、ゲームなど多くの趣味を持っています。」

うん、これは今も変わってはいません。スポーツ、音楽、読書、ゲームなども相変わらず楽しんでいます。汚れを知らない純粋な心を持っているなどと臆面も無く書いているところは若さ故ということでしょうか…。何となくですが、謝っておきます。すみません。

気を取り直して、肝心の志望動機についてですが、次のように書いています。

「私は中央大学文学部卒ということで、大学4年までは法律とは無縁の生活を送ってきました。そんな自分が弁護士を志したのは、大学4年になって進路を考えたとき、日々新聞等で目に入ってくる不正義、不条理な事件や判決を目の当たりにし、『法学部出身の奴らにまかせておけるか! こうなったら自分が変えてやる!』という単純だけど熱いハートが燃えたぎったことがきっかけです。」

熱いハート…この文章を読み返している今の私の顔が熱く真っ赤に燃えたぎっていますが、そうなのです、これが私が弁護士を志した動機であり原点なのです。普段の私の様子からすると、そのように感じられないかも知れませんが、心の奥底でハートが燃え続けているからこそ、20年もの間、中国残留孤児訴訟や建設アスベスト訴訟などの政策形成訴訟、造船じん肺訴訟や医療過誤事件など、ハードな課題に取り組み続けることができたのだと思います。

この先どのくらい弁護士を続けることができるかは分かりませんが、弁護士を続ける限り、この気持ちを忘れることなく、火を絶やすことなく燃やし続けたいと思います。その宣言の意味も込めて、恥ずかしい気持ちも振り払って、次の言葉でこの原稿を締めさせていただきます。

「ふるえるぞハート! 燃え尽きるほどヒート!! 刻むぞ血液のビート!」
(荒木飛呂彦著「ジョジョの奇妙な冒険 -第1部-」より)