城北法律事務所 ニュースNo.87 2023新年号(2023.1.1)
目次
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- 1 特集 憲法改正問題
- 2 日本の防衛費が倍になる!?
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- 1 憲法9条を巡る議論(備えあれば憂いなし)について
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- 1 弁護士に聞きたい どうして弁護士になったの?
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- 1 <法律相談>今後のことや死後のことが心配です~財産管理契約、任意後見制度、法定後見制度、死後事務委任契約~
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- 1 <事件報告>公務執行妨害事件で無罪獲得~不当な身柄拘束と自白の強要を回避し、公判で被害者警察官の嘘を暴く~
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- 1 <事件報告>弱者対弱者の対立構造を乗り越えて~生活保護引下げ違憲東京国賠訴訟(はっさく訴訟)勝訴判決~
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- 1 <法改正>侮辱罪厳罰化改正法施行と問題点
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- 1 所員からのひとこと明けましておめでとうございます 2023年
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- 1 <憲法企画>映画「サンマデモクラシー」上映会報告
所員からのひとこと
明けましておめでとうございます 2023年
「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」偶然の勝ちはあるけど、負けには何らかの理由がある、ということ。元は江戸時代の剣の達人の言葉だそうです。裁判では、不思議の負けがあります。何故原告の訴えを認めないのか理解出来ない不思議の負けです
全国で進められる議員定数訴訟を見ても、同じ言い分で同じ証拠を出しているはずなのに、各地の裁判所では違憲、合憲と判断が分かれてしまうのです。結局は裁判官次第、なんて言われるかもしれません。が、AIで決める訳にはいかない。人は間違うことがあるから三審制とする、これが今のところ一番の方法なのです。だから、頑張っていくしかない。もう少し続けます。今年も宜しくお願いします。
ある終電帰りの夜のこと、車内で隣に立っていた若い男性が苦しそうにえずいていました。お酒を飲み過ぎて苦しくなったのでしょう。そのうちオエッオエッの頻度が高まってきました。私は荷物の1つを網棚に乗せ、もう1つのカバンから大きめのコンビニ袋を急いで取り出し、「良かったらどうぞ」と言って渡しました。すると、その男性は一礼するとすぐにその場に座り込み、袋に顔をうずめて出すものを出しました。まさに危機一髪。彼の目の前に座ってはらはらしていた乗客もほっとした様子です。一件落着と思いきや、緊張感から解放されたためか、私は、いただき物の手作りトマトを網棚に置き忘れるという失態を…。ああ、トマト食べたかったなあ。
半世紀ほど前、私が大学に初めて登校した日、渋谷駅構内で「お兄さんお花買って」と数人の「花売り娘」が寄ってきました。大学の正門を入ると、大勢の原理研究会の学生が、世界学生新聞の勧誘をしてきました。渋谷駅・池袋駅周辺では、謎の献金を求める大勢の学生がいました。いずれも統一教会傘下の学生で、ついていくと洗脳されるパターンでした。
マインドコントロールによる寄付(霊感商法など)の強制の防止と被害救済の立法は必要です。また自民党は、統一教会との癒着について自ら解明すべきです。城北法律事務所は、かつて被害救済の事件に多数かかわりました。
昨年、初めて四万十川でカヌーをして、カヌーにはまりました。カヌーに一人乗り、川の流れに乗って風を感じながら進む体験は、自然の中に溶け込んだような気分を味わうことができ、想像以上に楽しかったです。川の流れが速くなっている部分では、オールでカヌーの向きを調整しなければならず緊張しますが、無事乗り越えた達成感を感じながら、緩やかな川の流れの中で味わうお茶は最高でした。今年も挑戦しようと思っています。
10月中旬に練馬で、城北法律も加わった実行委員会が有田芳生さんの講演会「旧統一教会と私たち ― カルトに汚染された社会と政治」をもちました。盛況でした。
私が城北法律に入ったのは1968年ですが、この年に韓国と日本で国際勝共連合が組織されたのでした。国鉄労働者とこれを支援する人々のたたかいの高揚のなか、1986年の衆参同時選挙で自民党が圧勝したことは忘れられない残念な記憶ですが、この選挙で「勝共推進議員130人が当選」とされました。ソウルで合同結婚式に6万人が参加したのは1992年でした。
講演会でのアンケートである地方議員は「『家族が大事』と言いながらこれほどまでに 家族を崩壊させるカルト宗教を権力の中枢にはびこらせてはいけません」と書いています。別の方は「昔から統一協会の問題が、社会問題として扱われていたのに、知らない内に活動が見えなくなり被害が拡大した事がくやしい」と・・・・。
選択的夫婦別姓はずいぶん前から議論されている古くて新しい問題です。最近の最高裁の判決でも、多数意見は、夫婦同姓を強制する現行制度は合憲という結論に立っています。しかし、この問題は、日本国憲法24条の素直な解釈をすれば、現行制度は違憲という結論にしかなり得ないものです。すなわち、24条1項は、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と規定し、婚姻の成立要件は「両性(男女に限定する理由もありません)の合意」のみであることを明確に定めています。ですから、婚姻の手続を定める下位の戸籍法等の法律は、「両性の合意」(婚姻の意思の合致)を確認するために必要な要件しか定められず、この要件を加重する「夫婦の同姓の強制」などの要件を定められないことは明らかです。意味不明の「家族の一体性」などは何の理由にもなり得ません。
温暖化の影響か、今年も災害の多い1年だったと思います。私の故郷の福島では、夏の台風で鉄道橋が落ちるなど大きな被害が発生しました。畜産業が地球温暖化への悪影響を与えるとして、欧米ではヴィーガン(完全菜食主義)の方が増えたり(私の義理の弟もヴィーガンです)、日本でも大豆ミートの開発が進んでいるようです。私も節電など自分に出来ることから何かしていこうと思います。
昨年は左足を手術したり、内臓系でひやっとする症状や数値が出るなど健康面でいろいろな問題が出てきました。これまで運動らしい運動もやってこなかったのですが、せめて日常的に健康に配慮するようにしています。
食事では糖質を制限したり食事の最初に食物繊維が多い野菜を取るなどし(べジファースト)、エスカレーターやエレベーターを使わずに階段を上ったり、一昔前にはやった「ロングブレスダイエット」で筋肉をつける努力をするなどです。誰でもやっているようなことばかりかもしれませんが、少し体が軽くなったような気もしますし、気の持ちようも変わってきたように思います。
みなさまも、健康に留意してお過ごしください。
弁護士が仕事のために日常的に通っている裁判所、どこにあるかご存知ですか。まず当所の弁護士が一番使っているのは、千代田区霞ヶ関の裁判所でしょう。こちらに東京地裁、高裁、家裁、簡裁があります。事務所からは丸の内線ですぐに行けます。また、裁判所には本庁だけではなく支部があり、東京では立川に支部が存在し、多摩地域の事件の場合は立川で裁判をすることもあります。
その他、錦糸町に調停を行う庁舎、島嶼部等に簡易裁判所、などなどがあり、東京だけでも実は色々な場所で裁判が行われています。
先日東京地裁の一部(会社、知財、破産などの担当部)が中目黒に移転し、「ビジネスコート」という愛称がつけられました。知財の事件で私も最近初めて訪れました。以上裁判所豆知識でした。
去年の10月から事務所の運営委員長になりました。法律事務所の運営形態としては、経営に関与する弁護士(ボス弁、パートナー)とそうでない弁護士に分かれる事務所もありますが、城北法律事務所では、民主的で平等に、弁護士に区別なく、事務局員も含めて全員参加で事務所を経営しています。ただ、所員もそれなりに人数がいるので、実際には一部の所員が投票で選ばれ、運営委員会を構成し、その運営委員会が事務所運営をリードしています。その長が運営委員長ですが、弁護士が順番で担っていて、今回は、私の順番ということです。もちろん、偉くなったわけではありません(笑)。皆さんのお役に立てる事務所であり続けるようにがんばります。
昨年夏、仕事中に身長が話題となり、「私は162㎝強で」と口にしたところ、同席していた所員から「160㎝あるの!? ほんとに!?」と大変驚かれました。30代の女性の平均身長は158㎝程度で、平均より少し高いくらいですから「そんなに驚かなくても」と笑いましたが、確かに心当たりが…。小学生の頃から周囲に指摘されてきた生粋の猫背なのです。確かに、4~5㎝は低く見えてもおかしくないでしょう。猫背は百害あって一利なしと、矯正すべく簡単な筋トレやストレッチ、椅子の高さを変えるなど工夫を始めました。しかし、30数年もの間で身にしみついた猫背はそう簡単には治りません。お気づきの際は「また猫背だよ」とお声かけいただけると幸いです。
政府は、国家安全保障戦略、防衛計画の大綱、中期防衛力整備計画の安保3文書の改訂論議を進めています。そこでは、「敵基地攻撃能力」を「反撃能力」と言い換えて、「反撃能力」の保有も憲法9条の専守防衛の範囲内と説明されることになるといわれています。
しかし、攻撃してくる相手のすべての基地に反撃するために十分な「反撃能力」を保有するためには、膨大な戦力を持つ必要となるでしょう。そのための増税もささやかれています。
「反撃能力」をもつことは、相手国の領域に対して攻撃する戦力を持つことを意味します。敵基地攻撃能力の保有は憲法9条が禁止していることは明らかです。国民不在のまま憲法破壊が進められています。
魯迅の「故郷」という小説の最後に、「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道となるのだ」という言葉があります。教科書でこれを読んだ中学生(?)の私は、多くの人が歩けば道になる、なんて当たり前のことを、くらいにしか思っていませんでした(読解力ゼロです)。
しかし今は、この言葉に鞭打たれます。社会的不正義や不合理があるのに怠惰に知ろうとせず、あるいはうすうす気が付いていても知らないふりを決め込む。これでは「よりよい社会への道を多くの人と歩むことはできないでしょ!」と厳しく魯迅先生に叱られ、背筋が伸びるように思います。
2022年10月3日に左膝の手術をしました。
前十字靭帯の再建術と、半月板損傷に伴う縫合手術。20年前に、右膝も同じく前十字靭帯の再建術をしたのですが、その時は3回も手術をし、1年6カ月ほどスポーツ復帰できませんでした。今回は1回で終了です。医学の進歩を感じますね!2週間近く入院し、家族とも一切面会できず。こんなに育児から解放されたことなんてないので、せっかくなら充実した時間にしようと思ったものの・・・車椅子生活でできることには限りがあります。退院して外気に触れたとき、それだけで幸せを感じました。夜泣きに悩まされず、ぐっすり寝たのは久しぶり。慢性的な睡眠不足でしたが、一気にリセットされました!