城北法律事務所 ニュースNo.90 2024夏号(2024.8.1)

所員からのひとこと
残暑お見舞申し上げます 2024 夏

阿部 哲二

抗がん剤副作用被害救済制度
食道がんの手術を受けて7年が経ちました。再発転移はなく、低空飛行ではありますが元気に仕事を続けています。酒やタバコで細胞を傷つけたことが原因かなと思うと仕方ありません。でも、子供のがんの話を聞くと心が痛みます。子供は抗がん剤治療などで80%位、寛解するそうです。一方で抗がん剤の副作用で苦しみ続ける子供がいます。かつて薬害イレッサ訴訟を担当し、抗がん剤副作用被害救済制度を提案しました。この被害を不運だったですませてよいのか、抗がん剤によって救われる多くの生命があるなら、その利益を受ける社会全体で何とかできないかと考え続けていきたいと思います。

小薗江 博之

聖橋の背景にニコライ堂が
NHK「虎に翼」の主人公は、湯島側からお茶の水の聖橋を渡って、女高師附属中、そして駿河台の明治大学に通学する設定です。聖橋の後ろにニコライ堂が見えるのですが、昭和40年代には建物で見えなくなります。ニコライ堂を見ながら聖橋を何十回も渡った者としては、昔を思い出して、たまらない風景です。
私の小学校から大学までの先輩穂積重遠先生が登場するのもうれしい限りです。穂積先生は、大学の外で市民法律相談に関わりました。
主人公の自宅は戦時中、軍に提供されていましたが、私の祖父母の湯島の家も2階3階を軍が使っていました。そしてドラマと同じく、東京大空襲で焼失しました。自宅を再建したのは、私が生まれた翌年の昭和29年でした。

武田 志穂

昨今ドライバー不足の問題がよくニュースなどでも取り上げられており、せっかくインバウンド需要が増しているのに観光バスが運行できない、路線バスが廃止された、など多くの問題が出てきているようです。私の実家は福島県の喜多方市ですが、以前は喜多方市と新宿をつなぐ長距離バスが1日何往復か運行されていました。しかし、コロナ禍の影響もあったのかもしれませんが、今はわずか1日1往復の運航のみのようです。電車の乗り換えに慣れてない方などにとってはとても便利なバスだったと思いますので、少し寂しく感じています。

菊池  紘

四葉のクローバー
福島。生業を返せ、地域を返せと立ち上がった人々の生業裁判第2陣の現地協議が5月末にもたれた。朝9時から大熊、浪江、川俣を回って最後に福島市大波についたのは5時近くだった。ある原告夫婦がこもごも「小学校の運動会は住民もこぞって参加し地域の一大イベントだった。夏まつり、芋煮会、ソフトボールや卓球。町の高齢者も参加した旅行企画もあった」と訴えた。しかし、事故当時に41名いた児童が2012年には10人になり17年には廃校になったと。真摯に訴えを聞いていた女性裁判長は丁寧に「ありがとうございました」と述べた。
薄暮がせまろうとしている周りは、シロツメクサの葉が敷き詰められたように、一面に生えている。誰にも気づかれないように立ったまま四葉のクローバ-をさがした。「あった!」。摘んで手元の文庫本にそっと挟んだ。うれしくなって口笛でも吹きたくなった。

工藤 裕之

ある著名なジャーナリストが、国民負担率について発言していました。国民負担率とは、所得税、住民税、消費税その他の税金や社会保険料、医療費等、国民が負担するものについて、収入に対する割合をいうものだそうです。最近の日本の国民負担率は約48%で、50%を超えるヨーロッパ諸国よりはやや低いですが、ヨーロッパ諸国の多くが大学の授業料や医療費が無料であるなど多くの国民へのリターンがあることに比べて、日本は国民にそうしたリターンはありません。一体何に税金等を使っているのか、国民はよく考えてみた方がいいと思います。教育費の公費負担が対GDP比がOECD諸国でずっとほぼ最下位ですし、国民が安心して暮らせるような公的支援もあまりに不十分です。こんなことを最近考えています。

種田 和敏

東京借地借家人組合連合会の常任弁護団の一員として、借主側で借地や借家の問題を多く扱っています。弁護団に入ったのは、たぶん10年前です。弁護団には、田見先生が誘ってくれました。当時は、悪質な地上げが急増し、迅速で強気の対応が必要でした。田見先生は、自衛隊相手に仮処分を申し立てるほど、気が短く、向こう見ずな私を、ちょうどよい! と思ったのかもしれません(笑)。田見先生は、私の父と同い年で、田見先生からは、それこそ父のように背中で(笑)、借地借家のいろはを教わりました。ときには、飲みに連れて行ってもらいました。10年目を節目に、懐かしい日々を思い出します。田見先生に怒られないように、精進します。

田場 暁生

以前、米軍新基地建設反対でがんばっている沖縄県の自治体を応援するため、ささやかな金額のふるさと納税をしていたことがあります。ふるさと納税では、税金控除や返礼品をもらうことができる(その自治体は当時返礼品はなく、私も返礼品には関心なし)反面、私の居住自治体の税収が減少します。私は、居住自治体で保育園や学童保育の充実を図るための活動をしてきました。恥を忍んで言えば、ふるさと納税を利用することは自分のこのような活動や生き方と矛盾します。そこで、居住自治体以外の自治体を応援するなら、税金控除や返礼品の有無を問わず寄付や自らの活動によってその自治体を応援しよう、と数年前にふるさと納税はやめました。今さらに返礼品競争が過熱し、高所得者がほぼ無償で高額の返礼品を受け取ることができるようないびつな制度になっています。税制を歪めるこの制度は廃止すべきではないでしょうか。

田村 優介

ブログを再び始めました。
以前から個人ブログがありましたが、ここ何年か放置してしまっていました。今年はいろいろ新しいことに取り組もうと思い、独自ドメインをとって個人ブログを新たに開設しました! 勉強も兼ねて、サーバを自分で借り、構築もWordPressというシステムを用いて全て自分でやっています。よろしければぜひご覧ください! 更新情報はX(Twitter)でお知らせしていますのでそちらもフォローお願いします。
https://tamuraysk.com/

深山 麻美子

先日、由布院➡黒川温泉➡熊本城に行ってきました。由布院は外国人の観光客でごった返し、黒川温泉に向かうバスも、外国人観光客でバスの予約がとれず。。今の日本の観光地のリアルを実感してきました。
熊本はわが故郷。熊本城は何度も行った場所。地震後の再建状況がずっと気になっていました。崩れた石垣はまだまだ再建途中で心が痛みましたが、天守閣は見事に再建され、その虚飾のない、凛々しく美しいたたずまいに、感涙ひとしおでした。帰りのタクシーの運転手さんから『地震で一番困ったのは水ですばい』とアドバイスを受け、自宅に帰って早速水の備蓄を増やしました。

松田 耕平

事務所ニュース新年号で喫茶店のことを書きました。ここ池袋にも素敵な喫茶店がいくつもあるのですが、今年、そのうち二つが閉店してしまいました。それは「ドリームコーヒー」(池袋西口)と「珈琲亭 蚤の市」(池袋東口)。とりわけドリームコーヒーは事務所に近いということもあり、週1~2くらいで通っていました。珈琲1杯230円、バターたっぷりの厚切りトーストが1枚180円、ゆで卵が1個50円という破格のお値段。しかも美味しい。そんな素敵なお店だったので、老若男女問わず常に賑わっていましたが、今年3月、51年の歴史に幕を閉じました。お店も人も一期一会とはよく言ったもの。いつまでもあることが当然と思うのではなく、一つ一つ、瞬間瞬間を大切にしなくては…と改めて思った今日この頃です。

結城  祐

7月第1週目に少し早い夏休みをいただき、沖縄へ家族旅行をしました。沖縄旅行は2年ぶりで、今回は生後7か月の次女も一緒でした。美ら海水族館ではジンベイザメが泳ぐ大水槽の前で、長女が描いたジンベイザメの絵と2年前に購入したジンベイザメのぬいぐるみと写真撮影をして、長女はご満悦でした。海やプールでは、次女も水が冷たくて初めての感覚が面白いのか、ニコニコしながら手足をバタバタさせて泳いでいました。また、ホテルが飼育するイルカと触れ合ったり、リクガメの飼育体験をしましたが、どちらも体験前に、飼育員の方々から地球温暖化が生き物に与える影響を説明していただき、家族で環境保全の必要性を再認識しました。