<池袋で派遣村活動を行ないました>
この成果を政策要求
弁護士 大山勇一
【池袋で無料相談活動を!】
本年5月14日、城北法律事務所の呼びかけで、池袋東口の中池袋公園において、「池袋派遣村」~いのち・くらし・雇用なんでも無料相談~を開催しました。年末年始に日比谷公園で行なわれた「年越し派遣村」の成果を受けて、事務所の地元である池袋の地でも相談活動を行なおうと企画されたものです。折りしも非正規切りにより19万人が職を失い、求人倍率が0 . 59にまで下がるという厚労省の発表がなされたときで、時宜にかなった取り組みとなりました。
運営は実行委員会形式とし、豊島区労協や新日本婦人の会豊島支部、東京土建豊島支部、豊島区職労など豊島区で活動する諸団体が参加してくれました。「村長」は教育家の三上満さん、「名誉村長」は豊島区元区長の加藤一敏さん、そして私は事務局長を務めました。
【準備万端!】
実行委員会は、池袋、目白、大塚、巣鴨などの主要な駅頭でのべ15回宣伝活動を行ないました。宣伝の際にはティッシュに折込みチラシを同封し、道行く人の関心を高めました。合計1万枚のチラシを配布することができました。
また5班に分かれて、池袋・大塚のネットカフェ、カプセルホテル、サウナ、コンビニなどに派遣村のチラシを置き、ポスターを貼らせてもらいました。また、事前に豊島区の副区長や生活福祉課の職員の方々ともお会いし、当日の生活保護申請について適切な対応をお願いしました。
【続々と訪れる相談者】
そして当日を迎えました。開村まもなく相談者が続々と訪れました。予想どおり「仕事がない、住まいがない、所持金がない」という方々でいっぱいとなりました。
相談員には弁護士のほか、生活と健康を守る会の方、区議会議員、NPO法人の担当者などがあたりました。また医師による健康相談を希望者全員に受けてもらいました。最終的にはおよそ50名の方から相談を受け、豊島区だけで14名の生活保護受給に結びつきました。
当日参加したボランティアは150名。駅頭での宣伝、誘導、おにぎりや古着の提供など、全員がそれぞれの持ち場で活躍しました。
私が生活保護申請に付き添った方は、友人宅に仮住まいしながら、建築現場での違法派遣で働いている30代の男性でした。かつて入っていた寮は一部屋に10人が押し込まれ、高い寮費を取られていたそうです。失業中だったので、生活保護を申請し無事に認定されました。
「親と絶縁しているから親には頼れない」「安売りラーメンを大量に買って毎日そればかり食べている」「議員が相談に熱心に耳を傾けるのを見て、政治家ってこんなに親身になってくれるんだと見直した」と話してくれました。
【根本は政治の問題】
多くのボランティアの活躍により、大きな成果をあげた池袋派遣村ですが、支援にも限界があります。貧困・ワーキングプア問題を解消するためには、抜本的な労働者派遣法の改正、政府による雇用支援、住まいの提供そして無法な非正規切りを許さない対応こそが求められます。派遣村での成果を政策要求に結び付けていきたいと考えています。
最後になりましたが、ご協力いただいた皆様に心より感謝を申し上げたいと思います。
ありがとうございました。
1万個のティッシュで宣伝!
事務局 本多史和
実行委員会で用意したチラシ入りポケットティッシュはなんと1万個! のべ数百人の協力により4月末から7駅で計15回の宣伝活動を行いました。
また「ネットカフェ難民と呼ばれる人たちにもこの運動を伝えたい」と、駅周辺のネットカフェやカプセルホテルを回ってはポスターを貼らせてもらい、「生活が苦しいのは日本人だけじゃない」と、教会やモスクに英語版のチラシを置いてきました。
そんなかいあってか、当日は「3日間なにも食べてない」という人が派遣村に足を運び、嬉しそうに手作りのおにぎりを食べる場面も…。素直に、派遣村をやってよかった! 宣伝を頑張ってよかった! と思える瞬間でした。
池袋派遣村の受け付けで
事務局 齊藤伸子
当日は受け付けにいましたので、チラシの入ったティッシュを持って相談に見えた方々と、短い会話をしました。みなさん異口同音に、「なかなか仕事がない」「仕事が欲しい」「仕事さえあれば、生活保護を受けなくても良い」と語っていました。経済的自立のできる職を求めているが、求人は少なく、年齢等でも就職ができないという現状の厳しさをじかに感じました。
受け付けを終えてからの少しの待ち時間も「相談できないようなら・・・」と帰ろうとする方も多かったので、一緒に待つ係りも必要だったと思いました。
閉村時間近くに「生活保護の申請を受け付けてもらえました」とお礼を言いに来た方もおり、ひと安心された笑顔に、まわりにも笑顔が広がりました。